たぶん、2014年春先くらいからの5年間、
ある日突然、母親との諸々のこと、ぜーんぶ水に流せて、
母親が愛おしくてたまらなくなった5年間、
やっと、やっと、母親と心を通わせることができるようになった5年間、
強迫でしんどかったけど、けど、本当に幸せだった5年間、
母親との至福の時を過ごせた5年間。
ある日突然始まったその至福の5年間は、
ある日突然、終わってしまった。
それからの4年間、砂をかむようで…、
強迫でまともに日常生活も送れないままだし…、
私はこの世ではもう用済み、という感がぬぐえないでいた。
母親のことはしょっちゅう思い出していた。
愛おしく、うれしく、温かく、懐かしく、
でもその後すぐに、切なく、悲しく、辛く、
そして、後悔、後悔、後悔…。
今日も母親のことを思い出していた。
乾ききった夏の庭、母親はいつものように花や木に水をやっていた。
「私が花に水やってたら、トカゲが来よってん。
でな、葉っぱにたまった水を、舌出して、
ちゅーって、うまいこと飲みよんねん。」って
母親は、目を細めて、うれしそうに話してた。
母親はうれしかったんだろうなぁ。幸せなひと時を感じてたんだろうなぁ。
でも、母親はもう、そんな幸せなひと時を感じることはできない…。
…考え方、変えるっ!
うれしそうに水飲んでいるトカゲさん見て、
幸せでうれしかったんだね。私もうれしい。
あなたが幸せでいると、私も幸せ。
そこで止めておこう。
その温かい感覚を保っておこう。
でないと、せっかくの幸せな思い出たちが、勿体ない。
思い返すたび、いちいち悲しんでいたら勿体ない。
幸せな思い出に十分ひたっていられなくなるもの。
幸せ感の後すぐに、悲しみをこだまさせ続けていたら、
悲しくてたまらなくなってしまって、
思い出をいったん閉じてしまうから。
あなたが幸せだと私も幸せ、で止めといたら、
幸せな思い出に目一杯ひたっていられる。
私の心は、私の中の母親の心と、ずっと一緒に居られる。
私は、一生、母親の心と一緒にいきて行ける。
私の心の中では、あの貴重な5年間を終わらせない。
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